もしもし(mo-shi mo-shi)は「ハロー?」を意味しますが、これは電話のときだけです。日本人がカジュアルな電話に出るときの表現であり、対面で言うのは「オペレーターさん?」と直接友達に挨拶するような、ちょっとしたジョークになってしまいます。しかし、電話口では瞬時に通じる万能な言葉です。
旅行者が最初に覚える日本語の一つでもありますが、この4つの音には驚くほどの歴史と民間伝承が詰まっています。
「もしもし」の由来
このフレーズは、「話す」という意味の謙譲語である 申す(mo-su)という謙虚な動詞から生まれました。その連用形である「申し」が「もし」となり、「私が申し上げます」という意味になります。
電話の黎明期には、接続が弱く不安定だったため、発信者は自分が回線に繋がっていて話す準備ができていることを示すために、「もし、もし」と2回繰り返して言いました。この2回繰り返す形が定着し、電話を始める際の標準的な方法となりました。
日本初の電話交換局が開設されたのは1800年代後半で、当時は人間の交換手を通じて通話が行われ、回線には雑音が入ったり途切れたりしていました。素早く2回繰り返す「もしもし」は、実質的に「聞こえますか?」と尋ねる最も手っ取り早い方法だったのです。
つまり、その起源にはカジュアルな要素は一切ありません。「もしもし」は、「これからあなたにお話しします」という丁寧な合図として始まったのです。
みんなが大好きな「狐」の伝説
「もしもし」には、人々に愛されている民間伝承があります。日本の化け狐である狐(ki-tsu-ne)は、この言葉をうまく発音できないとされています。電話に「もしもし」と出て相手が答えられれば、その相手が化けた狐ではなく本物の人間であることを証明できる、というお話です。これは実際の語源というよりも魅力的なおとぎ話ですが、日本人のほとんどがこの話を知っています。
この伝説は日本の文化に完璧にマッチしています。日本の神話や民話において、狐は人間に化けて旅人をだます賢い妖怪として描かれているため、人間だけが言える合言葉があるというのは、非常に納得のいく設定なのです。
実際の使われ方
個人の電話では、「もしもし」は自然な第一声です。友人や家族は常にこれで電話に出ます。一方で、ビジネスシーンでは使われません。企業が電話に出る際は、ハキハキとした「はい」に続いて会社名を名乗り、カジュアルな「もしもし」を使うことはありません。
他にも知っておくべき日常的な使い方が2つあります。電波が悪いときに、語尾を上げて「もしもし?」と言うと、「もしもし?まだ聞こえますか?」という意味になります。また、会話の途中で友達がぼーっとしているときに、おどけて手を振りながら「もしもし?」と言うのは、英語の「earth to you(もしもーし、聞こえてますか?)」にあたる日本語表現になります。
対面で誰かに挨拶するときに「もしもし」を使ってはいけません。これは電話でのみ機能する言葉です。直接会って挨拶するときは、代わりにこんにちは(kon-ni-chi-wa)を使いましょう。これらを混同してしまうのは初心者にありがちなミスです。怒られることはなく笑い話で済みますが、言語を学び始めたばかりであることがすぐに伝わってしまいます。
現地の人と同じように電話に出る
日本で電話が鳴ったとき、知っている相手であれば、穏やかに「もしもし」と言うだけで十分です。明るく素早く言いましょう。これはフォーマルな挨拶というよりも、親しみやすい「いる?」というニュアンスです。誰からかかってきたか分からない場合でも、安全でニュートラルに出る方法として使えます。
ビジネスの電話や知らない相手、第一印象が大事な場面など、よりフォーマルな状況では、日本人は「はい」と自分の名前を名乗ります。これは、親しみやすい「もしもし」よりもプロフェッショナルな印象を与えます。
日本語の学習を続けよう
「もしもし」は覚えて楽しい最初の言葉ですが、完全に電話専用の表現です。直接会って挨拶するときは、こんにちはとその仲間の表現を使いましょう。Pretalkアプリの音声とスピーキング練習がセットになった無料の日本語の挨拶フレーズで、日常の挨拶を身につけましょう。